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ギルディング和紙

今回は愛媛県内子町五十崎(いかざき)で作られるギルディング和紙をご紹介いたします。

ギルディング和紙この地では、平安時代にはすでに紙漉きが行われていたそうです。

この地で漉かれる和紙は大洲和紙(おおずわし)と呼ばれ、主に書道用紙、障子紙、表装用和紙などが漉かれてきました。

この大州和紙に、ギルディングという箔加工を施し「ギルディング和紙」は誕生しました。

ギルディング和紙

ギルディングとは、欧州に伝わる金属箔装飾のことで、古くは額縁の装飾技術として発展し、紙や木材、布などの上にデザインを施す手法のことです。

金属の酸化と腐食性の特徴を活かして、美しい色合いを表現します。

漉き上がった和紙に糊を置き、その上に金属箔をふわりと置き、刷毛でなでるように広げると、糊を置いた部分の模様が美しく浮かび上がってきます。

当店ではこのギルディング和紙を入荷いたしております。

一枚漉き和紙は、このまま額に入れて飾っても素敵ですね。

葉書はポストカードとしてはもちろん、封筒に入れてグリーティングカードとしてもお使いいただけます。

ギルディング和紙 はがき

また、これからの季節、クリスマスカードにもおすすめです。

和紙もギルディングも、一枚一枚心を込めて手づくりされた逸品です。

ただ今店内にはギルディング和紙を展示いたしております。

ぜひ当店でギルディング和紙の世界をお楽しみください。

みなさまのご来店を心よりお待ち申し上げております。

黒谷和紙のご紹介〜その1〜

当店のショップスタッフは、4月末に和紙研修として京都府綾部市で漉かれている「黒谷和紙」と、同じく福知山市大江町で漉かれている「丹後和紙」の工房を見学させていただきました。
どちらの工房も、山に囲まれ、美しい水が豊かな土地にあります。今回の旅では素敵な和紙と人との出会いがありました。今回からシリーズでご紹介させていただきたいと思います。

まずは「黒谷和紙」のご紹介をさせていただきます。


黒谷和紙の歴史は古く、八百年以上も昔、戦いに敗れた平家の一団が子孫へ残す技として始めたと言い伝えられているそうです。江戸時代には文化と産業の発展と共に盛んになり、京都中心部に近いことから、京呉服に関連した紙が多く作られるようになりました。明治以降には、養蚕業が盛んになり、繭袋など、産業に関連した紙が漉かれるようになりました。(黒谷和紙共同組合パンフレットより)


昔、この地の家では、ほとんどの家で紙が漉かれていたそうです。家の前に流れる川で作業をし、家の中で紙漉きをし、漉いた紙を木の板に貼り付けて乾かす際には、一斉にたくさんの板が並べられるので、遠くから見ると山が白く見えるほどだったそうです。現在、紙漉きをされている工房は数軒になってしまいましたが、若い世代へと黒谷和紙の高い技術が引き継がれています。


次回に続きます。